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人はどれだけ土を食べてるか(その2) [放射能]

 前回は 大人が汚染土壌を 直接 口にしてしまうことによる内部被曝量を試算してみました。

 でも、「大人」って土遊びもあまりしないし ちゃんと手を洗うし 清潔・不潔の区別がついていますよね。

 逆に 子供は土いじりが大好きで 汚れた手を平気で口に持っていきます。
 手洗いだって うがいだって 怪しいものです。

 というわけで、前回の数字を使って 子供がどれだけ土を食べて被曝するのか 試算していきましょう。


1、子供は土をどれだけ食べてるの

 世間では色々な数字が使われているようですが、ここでは中でも最も安全サイドで「小児は200mg/日」を使うことにします。
 実感としては ちょっと大きすぎる気がするのですが、子供は何をやってるか分かりませんからね。

 汚染度は 前回計算した表をもってきます。

 

1gあたりの汚染量(仮定)

濃縮係数を掛けた汚染量

セシウム134 3.125Bq/g 6.25Bq/g
セシウム137 3.125Bq/g 6.25Bq/g
ストロンチウム89 1.875Bq/g 3.75Bq/g
ストロンチウム90 0.3125Bq/g 0.625Bq/g


 子供は200mgの土を食べている想定ですから、1年間に入ってしまう放射線量は 下の表になります。

土壌からの直接年間摂取量
小児の場合

セシウム134 456.3Bq
セシウム137 456.3Bq
ストロンチウム89 273.8Bq
ストロンチウム90 45.63Bq


 「何歳まで 土を口にしやすいのか?」という疑問は残りますが、まあ分別のつかないお年頃は 一応 「小児扱い」ですかねえ。
 大人でも 習慣的に 子供並の土が入ってしまっている人もいるような気もしますしね。

 子供の摂取線量換算係数は 日本語で良い資料が見当たらないので ココから拝借しています。
 経口摂取の係数はセシウムは9ページ、ストロンチウムは6ページに出ています。

 印刷が悪いうえに 単位が判り難いので 主要部分を抜き出してしまいましょう。
 単位と桁も 前回と同じに揃えてあります。
 セシウムの換算係数が 成人でちょっと違うんですが、引用元が違うためです。

単位[μSv/Bq]  1歳から2歳   2歳から7歳  7歳から12歳 12歳から17歳   成人  
セシウム134 1.6E-2 1.3E-2 1.4E-2 1.9E-2 1.9E-2
セシウム137 1.2E-2 9.6E-3 1.0E-2 1.3E-2 1.3E-2
ストロンチウム89 1.8E-2 8.9E-3 5.8E-3 4.0E-3 2.6E-3
ストロンチウム90 7.3E-2 4.7E-2 6.0E-2 8.0E-2 2.8E-2


 子供ほど ストロンチウムの換算係数が大きく、某学会のスライドのように セシウムだけで計算するのは不安です。



2、子供は土をどれだけ食べてるの(1歳~2歳)

 この年齢は外遊びが大好きで もっとも変な物を口にしやすいお年頃。
 土だろうが 石だろうが 平気で食べようとしますよね。

 換算係数もストロンチウムが大きくなっています。

 先ほどの土壌摂取量と係数を掛け合わせたのが 下になります。

土壌からの直接年間摂取量

換算係数[μSv/Bq]

年間被曝量

セシウム134 456.3Bq 1.6E-2  7.30μSv
セシウム137 456.3Bq 1.2E-2 5.48μSv
ストロンチウム89 273.8Bq 1.8E-2 4.93μSv
ストロンチウム90 45.63Bq 7.3E-2 3.33μSv

(年間合計被曝量)

21.04μSv


 計算してみると思ったほどの数字にはならないのですが、小さいお子さんだけにやはり対策は考えてしまいますよね。
 特に 減らそうと思えば 減らせそうな被爆ですから。



3、少年は土をどれだけ食べてるの(12歳~17歳)

 表を順番に見ていくと、ストロンチウムの係数が大きくなる思春期も気になるところ。
 分別がついても良さそうなお年頃ですが、買い食いや地べた座りが大好きだったりしますよね。

土壌からの直接年間摂取量

換算係数[μSv/Bq]

年間被曝量

セシウム134 456.3Bq 1.9E-2  8.67μSv
セシウム137 456.3Bq 1.3E-2 5.93μSv
ストロンチウム89 273.8Bq 4.0E-3 1.10μSv
ストロンチウム90 45.63Bq 8.0E-2 3.65μSv

(年間合計被曝量)

19.35μSv


 こちらも 大人より影響が出そうです。
 このお年頃の問題は どんなに話をしても、大人の言うことを聞いてくれなさそうなことでしょうか。



4、ちょっと まとめ

 最初の土壌の摂取量が安全サイドと思われる上に、幾つか数字が大きくなる仮定を置いています。
 その上でも 土が直接口に入ってしまう被曝は mSvの桁にはならない見込みです。
 ただ、対策が容易な経路ですから 特に小さなお子様は対策があってよいように思います。

 また、ストロンチウムの存在比はチェルノブイリを想定して設定されています。
 今回の事故では もう少し小さな値になる可能性がありますが、某学会のスライドみたいに「完全無視」はいただけません。



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コメント 5

マイキー

はじめまして
小さな子を持つ母親ですが、記事を読んで少し安心しました。
 計算ではストロンチウムもあるように計算していますが、本当に存在しているのでしょうか?
 ストロンチウムがあるなら、プルトニウムやウランもいたりしないのでしょうか?
 週刊誌でも大きく取り上げられ不安が募る毎日です。
 これからも更新を心待ちにしております。
by マイキー (2011-06-21 14:00) 

ゆでがえる

 マイキーさま、はじめまして

 ストロンチウムの問題ですが、存在していることだけは確かです。
 ただ、どれだけの量があるかは まだ推察の域を出ません。
 チェルノブイリを想定するのであれば、記事で書いたような比率になります。
 福島の土壌の実測値では かなり少なくて 表の計算の200分の1以下になっています。
 これはチェルノブイリと福島で 放射能が放出された時の温度の差によると思われます。
 チェルノブイリの数字を援用するのは ちょっとやりすぎ。
 逆に 福島の数字を使うのは 楽観しすぎくらいの印象です。

 プルトニウムやウランは セシウムほど水に溶けませんから、柏まで大量に飛んできている可能性は低いものと思います。
 もちろん、ごく微量には存在する可能性はありますが、健康を害する水準ではないと考えております。
by ゆでがえる (2011-06-22 13:22) 

新米ママ

はじめまして。いろいろとTVに取り上げられたり、週刊誌で書かれたりして心配です。ただ極端に騒ぎ立てているだけのような情報もあり、何が正しい情報なのかよくわからなくなっています。
筑波大学の研究チームがしらべたデータですとセシウム137だけで40000Bq/㎡だったそうですが、他の詳しいデータなどはご存じありませんか?
数字が出ているとなんとなく安心できるので、これからもどうぞよろしくお願いいたします。
by 新米ママ (2011-06-22 22:01) 

ゆでがえる

 新米ママさま、はじめまして。
 週刊誌としては ちょっと煽り気味に書いた方が売れる事情があってのことと思います。
 「正しい情報」も 観測結果のような「生のデータ」としては入手できるのですが、その解釈が 学者や専門家でも両極端に振れるために 普通に情報に接しているだけだと 股裂きになってしまいます。
 政府が言う極端に安全側の解釈と 一部の学者がいう極端に危険側の間のどこかに 本当の真実があるのでしょうが、私たちはそれを知ることが出来ません。
 今は 比較的妥当と思われている解釈の中で どんな状況なのかを推察していくしかないのだと思います。
 辛い世の中になってしまいましたが 私は少しでも「データの消化」に貢献できる情報を発信していければよいなあと思っております。
by ゆでがえる (2011-06-23 08:43) 

ゆでがえる

 新米ママさま
 柏近辺での セシウムの実測データですが、私も筑波大学グループのものしか見ておりません。

http://www.tac.tsukuba.ac.jp/~ams/Fukushima_radioactivity/contour_maps20110616.pdf

 発表された「セシウム137で4万ベクレル/m2」というのは、現在の空間線量率を考えると妥当な水準と思います。
 4万ベクレルの汚染度だと 空間線量率で0.3μSv/h半ばと推定されます。
 柏市の平均値だと こんな物でしょうかねえ。
 私の実感としては もう少し多いのではないかとおもっていました。
by ゆでがえる (2011-06-23 08:54) 

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